本来はロンドンフラットを目指していたはずなのに、建具工事の最中、なぜか昭和の日本住宅を見直している。これは自分でも不思議だった。家具を探しに行く時も同じ事を思った。たとえば、暖炉を取り付けるなど。私は当初ソファを入れようと思った。けれど、もともと6畳程しかない下の階のフロアにはキッチンがあり、あれこれ入れると圧迫感が生じるのではと悩んだ。その時思い出したのは、丸いちゃぶ台だった。何人集まっても食卓を囲むことができるちゃぶ台は、テーブルに椅子2脚のダイニング3点セットよりフレキシブルだ。
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いっそのこと、カーペットを敷いてそこにちゃぶ台を置くのも手かと、考えてもみた。けれど、朝食がとれる程度の小さなテーブルは、オーブンや炊飯器を置くためにも必要だ。和と洋の狭間でつらつら考える。考えた末、狭い部屋に準じた小ぶりのソファやテーブルを置こうと、方々家具店を見て回った。だが、一般的に売られているのは、住宅展示場にあるような高価で大きなもの。円高差益でセールになっている輸入ソファも、目に美しく思い切って買いたくなるものの、明星ハイツのような狭いマンションには収まらない。部屋の基準を6畳と考えると、ソファのサイズは畳1枚に収まらなければ不釣り合いだ。それなのになぜ、標準の日本住宅に合わせたコンパクトなダイニングセットやソファを作らないのだろう。椅子生活が前提のフローリングがこれだけ普及しても、日本人は床に座り、大きなソファを背もたれにテレビを観る。とどのつまり、日本人はソファやダイニングなど椅子式の家具を使いこなせないのかもしれない。それでも昭和の頃、床の間に飾られた壷のように、ソファはとりあえず置いてみたいのだ。使うか使わないか分からないのに。最終的に家電や脱ぎ捨てた服など、物を置く場所になったとしても、リビングに寝ころぶとしても、とりあえずソファを置いておく。それがある種の安心感になり、住まう満足につながる。それならば、メーカーは「見せ場」を演出する、もっと安価でコンパクトな家具を作るべきではないか。
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