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脱臭器としてのハイテック・ポストモダン

2011.11.11

洗濯機であるならば、バルコニーに出して目にふれぬように隠してしまうということは可能であるが、多くの「生活必需品」の類はどうしたらいいのだろうか。それらは必然的に生活臭をともなっている。生活臭とは旅の終り、すなわちモラトリアムの終りを意味する不吉な臭いである。その臭いを消すためにバイテックやポストモダンといったヴォキャブラリーが用いられる。日常的な生活必需品が、バイテックやポストモダンという操作によって変形される。

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それによって、生活臭が脱臭されたと見なされる。脱臭前の生活用品はダサイのであり、それがわずかな色の操作や形態の操作によってダサクナイものに生まれ変わるのである。そしてひとたび脱臭された生活用品は、それこそ臆面もなく部屋中に並べられることになる。バイテックな冷蔵庫やトースター、ポストモダンの掃除器といった代物が、ワンルームの中を飾ることになる。そして彼らにとって大事なのは、それら一個一個が脱臭されているということだけであって、それらすべてが黒のバイテックで統一されていたり、メンフィス調のポストモダンで統一されていたりするという必要は、少しもないのである。そのような統一的な美意識や、一貫した価値観といった代物はいつか身につければいいものであって、そのいつかはモラトリアムが終結した日の後のいつかであり、かつ自分がこの狭小な仮の住まいから脱出した後のいつかであると、彼らは考えている。そういう気持があるせいで、それぞれ別のプロセスによって脱臭されたモノたちが、いかに統一的文脈を欠き、いくらひどい雑音を発しようと、彼らには少しも気にならないのである。